海上運賃計算方法
- 2017/04/21
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輸出の豆知識
[基本運賃(Base Rate)] + [割増運賃(Additional Rate)] + [特別運賃(Special Rate)]
※割増運賃・特別運賃を、諸チャージ(Surcharge)とも言う。
基本運賃
1) ボックスレート(Box Rate)
海上輸送の主力であるコンテナ船では、コンテナ1本(20ft/40ft)あたりいくら、という形で運賃が決定される。
(コンテナ=ボックス)
(1) クラス別ボックス・レート(Commodity Box Rate) : コンテナにバンニングされた商品の品目別に値段が分かれる。
(2) 品目無差別ボックス・レート(FAK Box Rate) : コンテナ内の商品の種類に関係なく一定の値段を課す。
2) 重量建て運賃(Weight Basis : W)
重量を基準として料金を決める体系で、主に在来船や不定期船、重い商品(鋼板や鉄鉱石など)に対して摘要される。
単位はメートル法のトン(MT)が使われるが、一部の不定期船では英トンや米トンが使用されることもある。
英国:ロングトン:約1,016㎏=1 long ton=1LT
米国:ショートトン:約907kg=1 short ton=1ST
3) 重量・容積建て運賃(Weight & Measurement Basis : W/M)
重量および容積を基準に料金を決める体系で、1フレート・トンごとに運賃を課す方法。主に在来船の定期船で利用される。
1フレート・トン(FT) : 1容積トン、または1重量トンのどちらかに達した時点で1FTとする単位で、貨物取扱の運賃計算に利用される(「運賃トン」ともいう)。
1容積トン(1MT or 1M3) = 1m3or 40立方フィート(40cft)≒1.133m3 = 1FT
4) 従価建て運賃(Ad Valorem)
宝石などの著しく高価な商品の輸送に適用される運賃体系で、商品価値の数%を運賃とする。
5) 梱包建て運賃(Piece Package Unit Basis)
自動車などの運送で使われる運賃体系で、車1台いくら、という形で課せられる。自動車専用船などで利用される基本料金。
6) 最低料金(Minimun Charge)
運賃体系の最低基準に満たない少量輸送の場合、最低料金が課せられる。通常は、船荷証券1通にいくら、という形で課せられる。
割増運賃・特別運賃
1) 通貨変動調整金(Currency Adjustment Factor : CAF)
運送中に為替レートが急変動する事態に備えて課せられる割増運賃。
一般的には米ドルの為替レートが対象、運賃の数%またはコンテナ1本あたりいくらという形。
2) 円高損失補填金(Yen Appreciation Surcharge : YAS)
通貨変動調整金のうち、特に日本円の高騰に備えて課せられる割増運賃。
東南アジア航路の海運同盟・海運協定で採用しているところが多い。
3) 船舶燃料費調整金(Bunker Adjustment Factor : BAF)
原油価格等の変動による、船舶の燃料代高騰に備えて課せられる割増運賃。
FAF : Fuel Adjustment Factor 、FRC : Fuel Recovery Charge ともいう。
4) 長尺割増運賃(Lengthly Cargo Charge)
定期船で、一定の基準を超える長さの商品を輸送する際に課せられる割増運賃。
5) CFSチャージ(Container Freight Station Charge)
コンテナ・フレート・ステーションを利用する場合に、小口荷物を集荷して混載貨物を仕立て、コンテナにバンニングする作業料(特別運賃)。
<CFSチャージって何?>
- 通常は、コンテナターミナルの一部に設置された荷さばき用の施設であり、貨物をコンテナに詰め、又はコンテナから取り出す作業を行う場所をいう。
- 輸入の場合は、船会社によって積港でコンテナに詰められた小口貨物混載のコンテナを揚港の船からここへ移転して、コンテナから取り出して荷受人に引渡す。
- 輸出の場合は、船会社が小口貨物をここで受取り仕向港ごとにコンテナに混載してマーシャリングへ移動して船に積む。
- このように船会社が小口混載コンテナから個々の貨物を取り出したり、小口貨物をコンテナに混載したりする上屋をいう。
6) コンテナ取扱手数料(Container Handling Charge : CHC)
コンテナ・ヤードを利用する場合に発生する特別運賃
THC : Terminal Handling Charge 、ECHC : Empty Container Handling Charge ともいう。
7) 到着地コンテナ荷役料(Destination Delivery Charge : DDC)
配送先の港でのコンテナ荷捌きに課せられる特別運賃。アメリカではDDC,その他の国ではDTHCと略記する。
8) 船積書類発行手数料(Document Fee : Doc. Fee B/L Fee)
船荷証券などの船積書類の発行手数料、アジア航路で課金されることが多い。