自社サービスの本質を掘り出せ! マーケティング戦略の実践 Vol.25 『4つの戦略』
- 2019/11/06
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実践トコログ自社サービスの本質を掘り起こせ!マーケティング戦略の実践
こんにちは。今回はそれほど間を空けず、9月振りの担当の小黒です。
前回は「気候が秋めいてきましたね」とご挨拶しましたが、
すっかり秋も半ばに差し掛かり、少し肌寒さを感じ始めてきましたね。
私の周囲ではヒートテックを着た方も現れ始めてきています。
今年もあと2ヶ月、何事もなく無事に今年を終えたい気分でいっぱいです。
さて、今回は前回ご紹介した内容の詳細について、
「4つの戦略」というテーマでご説明いたします。
前回は「持続的に自社を成長させる」ための方法論、
そして事業展開をする際の考え方として
「アンゾフの成長ベクトル」という考え方をご紹介いたしました。
そこで考えられた、4つのパターンを改めて紹介すると下記になります。
- 市場浸透アプローチ=現製品による現市場への売上拡大(深耕化)
- 新市場開拓アプローチ=現製品による新市場の開拓
- 新製品開発アプローチ=新製品の現市場への売り込み
- 多角化アプローチ=新製品による新市場開発
この4パターンの詳細を今回はご紹介いたします。
まず1の【市場浸透アプローチ】について。
こちらは製品、市場ともに、現行のままで成長を図ろうとする戦略です。
他の戦略に比べ、最も安全であるが、活性化は図りにくいといった特性があります。
1:取り組み方の例
- 現在の顧客が従来の製品を購入する頻度や量を拡大させる
- 同業界の競争相手から顧客を自社の製品購入へとスイッチさせる
- 全く購入したことがない人々を顧客に引き入れる
- 既存顧客からの友人、知人の紹介を通じて新規顧客を増やす
自社の強みや財源などを自己分析し、
まだ現行の製品と市場に可能性がある場合であれば、
有効な手段であると言えます。
しかし現状と変わらない同業他社が相手となりますので、
大きな広がりを産み出すことは、困難な道となるでしょう。
2の【新市場開拓アプローチ】について。
こちらは現行の製品で、
新たな市場で展開することで成長を図ろうとする戦略です。
開拓コストはかかるが、
開拓に成功すれば今以上の大量生産も可能になります。
2:取り組み方の例
- 国内市場のみから海外の市場に進出する
- ネット販売を導入することで既存商圏以外の顧客を新たに開拓する
- 女性用製品を多少アレンジして男性用に売り込む
- 支店や営業所を新設して、新たな商圏で顧客を開拓する
常に同じ場所で戦い続けていても、
新しいお客様を見つけることは大変困難なことです。
ですので、自ら未知の商圏に出向くことで、新たな出会いを見つける。
これも事業展開の一つです。
3の【新製品開発アプローチ】について。
こちらは現状の市場に新たな製品を導入することで成長を図ろうとする戦略です。
製品開発関連のコストがかかるが、既存の販売チャネルを利用することができます。
3:取り組み方の例
- 顧客ニーズに合わせて製品をグレードアップさせる
- 今までと異なった全く新しい製品を開発する
- デザインを一新したモデルチェンジを図る
- 製品用途を転換することで全く新しい製品として売り込む
常に同じ商品を売り続けていても、値段は同一、
もしくは下がってしまうことが大半ではないでしょうか。
新たな商品を作り出すことで、新たな価値を創造する。
それが上手くいけば、今まで以上の事業展開となるでしょう。
4の【多角化アプローチ】について
新製品によって新たな市場に参入または、新市場を創出することで成長を図ろうとする戦略です。
上記の3つの戦略に比べると、リスクは最も高いものになります。
この4に関しては、下記の2つに分類することができます。
「関連型多角化」:既存事業と何等かの関連を持った分野に進出
- 建設会社がビルメンテナンスのサービス分野に進出する
- 楽器メーカーがピアノ教室を展開する
「非関連型多角化」:既存事業とまったく関係のない分野に進出
- 造船会社が健康食品の製造販売を開始する
- 自動車メーカーが住宅事業を開始する
「新たな商品を産み出し、新たな市場へチャレンジする。」
聞くだけでも成功すれば、大きな事業展開の拡大が分かります。
しかし失敗すれば、そのトライした2つのコストが費用として発生します。
4に関しては、上記以上に慎重になって、挑戦する必要を感じますね。
そしてこの多角化(特に関連型多角化)ですが、
「シナジー効果(相乗効果)」の発揮の有無が成功へのポイントとなります。
主なシナジーとして下記の4事項があります。
- 販売シナジー
既存の販売経路、販売組織、販売促進方法などの共有によって生じるシナジー
- 生産シナジー
既存の生産設備、技術ノウハウ、資材、生産人員などの共用で生じるシナジー
- マネジメントシナジー
従来の経営管理のノウハウを新事業にも活用できる場合に生じるシナジー
- 投資シナジー
工場や機械に共用による追加投資の回避、研究開発成果の応用による
開発コストの節約、などにより生じるシナジー
いま持つ力をどのように活かすか、そしてそれは相乗効果を発揮し得るものなのか。
様々な判断を基に、事業展開を計画していくのが、マーケティング担当の役割です。
ですが、一人で抱えることはなく、会社全体やチームで活動をすることで、
思いもよらぬ、アイデアがきっと生まれることでしょう。
その為にはやはり、「自社の強みを理解する」ことが、最重要であり近道です。
私は何度もこの「自社の強みを理解する」という締め方をしていますが、
活動を振り返れば振り返るほどに、この理解が進まないことには、
マーケティング活動は進まないのだなと痛感しました。
ですので、まず第一歩を間違えないよう、
マーケティングをする際には、気を付けて取り組んでもらいたいです。